①子ども被災者支援法の基本方針改定案について
②復興五輪について
③復興庁の在り方について
まず、①についてです。
子ども被災者支援法という対象地域に住み続ける人や自主避難した人を抱えている課題に応じて支援することを求める法律があります。
この基本方針の改定案が7月10日に発表され、現在説明会やパブリックコメントの募集がされています。
この中で、自主避難者への応急災害住宅の提供が平成29年3月末で終了することなどとあわせて、「支援対象地域は、すでに避難する状況にない」と明記されました。
この根拠について、竹下復興大臣は「原子力規制庁が最初に言い出した」と会見で述べていますが、浜田副大臣が出した原子力規制委員会に出した手紙を見る限り、そうは読めません。
最初から政府の結論があり、それを裏付けるよう指示を出しているように見え、『最初に言い出したのは復興庁』であることは明確です。仮に科学的にそうだとしても、被災者によりそう立場から文書の書き方等配慮が必要だったのではないでしょうか。
なお、「文書は私の名前だが、事務方が作ったものを了解しただけ」との答弁が浜田副大臣からあり、姿勢に疑問を持たざるをえません。この手紙の翌日に原子力規制庁から回答がきていますが、わずか1日で十分な検証ができたのでしょうか。また、避難する状況にないというなら基準値を示すべきと指摘しましたが、明確な回答をいただけませんでした。時間が限られていなければ、もっと追究したかったところです。
参考までに、浜田副大臣の手紙を全文掲載します。皆さんには、どう読めますでしょうか。
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原子力規制委員会委員長
田中 俊一 殿
子ども被災者支援基本方針では、現在、支援対象地域を福島県中通り・浜通りの市町村としている。
子ども被災者支援法では、支援対象地域は、放射線量に基づき毎年見直すこととされている。通常、線量は自然減衰や除染で提言していくと考えられることから、支援対象地域は、基本的には縮小していくことが想定されていたと考えられる。実際にも、線量は事故後減少傾向にあるか、または下がった状態で安定しており、支援対象地域の縮小・廃止を検討すべきものと考えられる。
本来であれば、今回の改定において縮小・廃止を打ち出すことも考えられるが、社会的影響が大きいため困難であるものの、少なくとも、福島県による自主避難者に対する応急仮設住宅の提供の終了を明記するとともに、科学的には、支援対象地域は縮小・廃止すべき状況であることの確認をしておきたい。
ついては、専門家から改めて、支援対象地域の線量は、現在、既に避難するような状況ではない旨の見解を確認いただきたいと考えている。
また、これは、支援対象地域は避難すべき状況であると主張される自主避難者への科学的反論をも示すものになると考えている。
なお、独立行政委員会である原子力規制委員会のご意見を頂くことにより、客観的な公平性・妥当性を担保できると考えているところである。
平成27年6月24日
復興副大臣
浜田 昌良