臨時記者会見
カテゴリ:活動報告
臨時記者会見
先日、横浜市で発生いたしました、本市の児童相談所が関わった児童が、実父を殺害した痛ましい事件についてでございます。
尊い命が失われたことにつきまして、非常に重く受け止めており、心よりご冥福をお祈りいたします。
本件につきましては、昨年の5月から本市の児童相談所で支援を行っておりまして、昨年9月には状況が改善しましたことから一旦支援を終結しております。
その後、昨年11月中旬から本年1月中旬と本年2月上旬の二度、一時保護を実施しておりますが、二度目の一時保護終了後、2月中旬の児童との面談におきましては、「父親とのトラブルもなく、学校も楽しい」と話していたこともあり、切迫した状況ではなくなったものと認識しておりました。
こうした中、3月上旬に状況把握のため父親に電話をしたところ、この電話がすでに使われなくなっており、父親との連絡が取れなくなったことから、住民票を確認したところ、2月下旬に横浜市に転居していることを把握いたしました。
本市では、横浜市への転居の把握後、今後の児童への支援体制が円滑に行えるよう、転居後の生活状況を確認し父親へ説明を行った上で、横浜市の児童相談所へ引き継ぐよう、丁寧な対応をしたいと考えていたところでございまして、状況の把握のため父方の叔母にも電話をいたしましたが、応答がありませんでした。
こうした事情はありましたが、転居の把握から事件発生までの間に、横浜市の児童相談所に引継を行えていないことについては、深く反省しております。
今後は、二度とこのような事が無いよう、転出に伴う他市への引継マニュアルを作成し、6月開催の市社会福祉審議会 児童相談所措置部会で委員の方々から意見を伺い、その内容を県内各児童相談所とも情報を共有するなど、再発防止に努めてまいります。
次に、新型コロナウイルス感染症に関する本市の取組等についてでございます。
新型コロナウイルス感染症につきましては、5月25日に、首都圏及び北海道の緊急事態宣言が解除されたことを受け、本市におきましては、これまでの外出自粛要請から、「新しい生活様式」の定着と市民・経済活動の再開に向け、5月26日に、今後の対応方針を改定いたしました。
この対応方針に基づき、「新しい生活様式」の定着を図り、感染拡大防止に努めながら、市民活動や経済活動を循環させていくため、5月18日の補正予算に続き、コロナウイルス感染症関連対策の補正予算案(下記の写真)として、4億7,700万円を計上させていただきます。
今回の緊急支援策につきましては、お手元の資料にございますとおり、前回と同様、3つの柱の考え方にそって補正予算の編成を行いました。
1つ目の柱のうち、医療従事者への手当制度等を設けた医療機関に対する補助についてお話させていただきます。この補助は、市民を始めとした多くの皆様から5月28日時点で、226件、1億2,758万円の温かいご寄附をいただいている「新型コロナウイルス感染症対策支援寄附金」を活用し、予算額として、5千万円を計上させていただくものです。
本市におきましては、緊急事態宣言が出されている中で、市内の民間医療機関・従事者の献身的な取組によって、医療体制を維持しつつ、市民の皆様の安全・安心が維持されているところでございます。
こうした新型コロナウイルス感染症の最前線で戦う医療従事者の方々に対し、「臨時危険手当制度」などを設けた医療機関から個人へ市として支援を行うものでございます。
対象医療機関は、第2種感染症指定医療機関、特定機能病院、帰国者・接触者外来実施医療機関などで、一人当たり、1か月2万円を上限に支給させていただきたいと考えております。
2つ目の柱として、「かながわ子ども家庭110番相談LINE」への参加による相談体制の充実・強化についてでございます。
緊急事態宣言による学校の休校など、大きく生活環境が変化することにより、生活不安やストレスが増え、児童虐待につながることが懸念されます。
令和元年度の通告・相談件数につきましては、対前年比で8.2%増加しているにもかかわらず、3月のみで比較すると、休校による学校からの通告件数の減少などの影響で、マイナス18.8%となっており、虐待の発見が見えづらい環境となっております。
本市におきましては、24時間相談窓口として、「こども虐待110番」を設置し、通告や相談対応を行っておりますが、お子さまや保護者の方が、より気軽に相談できる手段として、神奈川県が実施している「かながわ子ども家庭110番相談LINE」に参加する経費として、600万円を計上させていただきます。
3つ目の柱として、消費拡大喚起のための「総額3.9億円キャッシュバックキャンペーン」についてでございます。
地域経済を活性化するためには、緊急事態宣言解除後の景気回復のための施策が重要となってまいりますことから、総額3.9億円のキャッシュバックを行うものでございます。
具体的には、事前登録した市内の店舗において、一定額をご利用いただいた方を対象に、先着で3.9億円に達するまでキャッシュバックを行うもので、還元率は、25%を予定しております。
キャッシュバック事業を行う理由でございますが、市民の消費意欲が高まり、消費活動が活発になること、プレミアム付商品券の販売時の混雑が避けられること、さらに、プレミアム付商品券と比べて、現金が各店舗へ早く回るといった、即効性があるためでございます。
利用できる店舗につきましては、市内に本社、本店がある店舗で、業種等につきましては、できる限り、幅広く募集したいと考えております。
この事業につきましては、景気の回復への起爆剤として実施したいと考えておりましてイベントを実施する際には、3.9億円を「サンキュー」とし、
・外出の自粛、買い物や飲食店での飲食を自粛していただいた市民の皆様へ「サンキュー」
・営業自粛等にご協力いただいた事業者の皆様へ「サンキュー」ということから、「39(サンキュー)キャッシュバックキャンペーン」と銘打って実施したいと考えております。
ただし、現在、感染拡大が抑えられている状況とはいえ、市民の皆様には、まだ、様々な御協力をいただかなければならない状況でございます。
現時点で、このように「サンキュー」を打ち出す時期ではないと思いますが、実施に向けた準備もございますことから、補正予算に計上することを、ご承知いただきたいと存じます。
予算額は、事務費を含め、4億1,400万円を計上させていただきます。
なお、事業の実施に当たりましては、会計年度任用職員として、新型コロナウイルス感染症の影響により、内定が取り消された人や、仕事を失われた方、アルバイト先の休業等で経済状況が悪化した大学生等を優先的に雇用してまいりたいと考えています。
各施策につきましては、速やかに実施できるようスピード感を持って取り組んでまいりたいと考えておりまして、市議会でご議決をいただきましたら、具体的な手続きやスケジュールなどについて、市ホームページ等でお知らせしてまいりたいと考えております。
次に、「新型コロナ暮らし・経済支援ダイヤル」につきましては、新型コロナウイルスに関する経済支援や子育て支援が必要な方からの問い合わせを一元的に対応する相談ダイヤルとして、6月1日より開設いたします。
これまで、「帰国者・接触者相談センター」、「特別給付金専用ナビダイヤル」などを開設してきましたが、それ以外にも、子育て支援や定額給付金以外の経済支援、そのほか、新型コロナウイルス感染症による様々な影響に対する支援や相談など、どこに聞けば良いかわからないことがありましたら、是非、こちらのダイヤルにお問い合わせていただければと思います。
なお、皆様関心の大きい10万円の定額給付金でございますが、5月8日から11日にかけて受け付けいたしましたオンライン申請のうち、要件を満たしました7,491世帯分の18億3,350万円を本日、第1回目の給付金として、振り込みいたしました。
本市では、審査にあたって独自のシステムを構築することで、住民基本台帳との照合作業や振込データ作成作業などを省力化するとともに、迅速かつ正確な処理を行っているところです。
引き続きオンライン申請分の審査を行った後、順次振込手続きを行うとともに、郵送分の申請書につきましては、予定通り、明日から6月5日にかけて、市民の皆様へ順次発送いたします。
発送に合わせて、申請書の記入方法などを説明する動画を市ホームページに掲載いたします。
6月12日を過ぎても申請書が届かない場合には、既に設置をしております、特別定額給付金専用ナビダイヤルまでお問合せいただきますようお願いいたします。
緊急事態宣言の解除はゴールではありません。
第2波、第3波のリスクなども想定される中、緊急事態宣言が解除された後こそ、「新しい生活様式」の定着など、相模原市としてのあり方が問われるものと考えおります。
市といたしましても、状況の変化を的確に捉えながら、今回の追加支援策をはじめ、実情に応じた支援や、様々な媒体を活用した迅速かつわかりやすい情報発信に努めてまいります。
一人でも多くの市民や事業者の皆さまが安心して生活できるよう、今後も関係自治体とも連携しながら全力で取り組んでまいる所存でございますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
最後に、もう一点ご報告がございます。
昨年の東日本台風の被害からの復旧・復興に向け、本市では昨年11月に復旧・復興推進本部を設置し、取組を進めてまいりましたが、このたび、被災者の生活再建支援、社会インフラの復旧、地域経済の復興などの取組を相模原市復旧・復興ビジョンとしてとりまとめました。
複旧・復興ビジョンにつきましては、本日より、被災者の皆さまなどに周知させていただくとともに、それぞれの取組を着実に進めてまいります。